ステンレスの魅力
「stainless」とは「錆びない」という意味です。
その意味の通り、ステンレスとは錆びにくく耐久性が高い金属のことです。
正式には「ステンレス鋼」といい、鉄にクロムやニッケルなどを混ぜた合金です。
今回は家づくりにおけるステンレスの特徴やメリットデメリットをお教えします。
ステンレスの一番の特徴は名前の通り耐食性があることです。それ以外にも強度・加工性・耐熱性などにも優れた特性を備えています。意匠性にも優れており、お手入れをしやすいため日々のメンテナンスが容易であることも大きな特徴です。また、火を扱い、衛生的であることを求められるキッチンのワークトップとしては、熱に強く汚れが付きにくいという特徴を持つステンレスが最適です。
ステンレス鋼の用途
ステンレスは主に以下のような用途で使用されます。
キッチン
熱や水に強くさびにくい、掃除が簡単という特徴からシンクやワークトップに多く使われます。見た目に清潔感があるためプロの厨房でも頻繁に使われています。
また、油汚れに強く見た目もスタイリッシュなことから、レンジフードや壁面パネルに使われることもあります。
屋根・外壁
耐食性、耐久性、軽量性、メンテナンスの容易さから外壁材として使用されることもあります。特に錆びにくいという特徴から沿岸沿いや工業地帯で重宝されます。
バス・洗面所
水廻りに強く、かびにくい・さびにくいことから鏡のフレーム、棚、タオル掛け、蛇口などに使われます。見た目がすっきりしてモダンな印象を与えます。
外構・エクステリア
雨風にさらされても錆びにくく、長期間美しさを保てることから玄関ドアの取っ手やポスト、フェンス、門扉に使われます。光沢があるため、高級感のある外観に仕上がります。
家づくりにステンレスを使用するメリットをさらに深掘りしてみていきます。
高い耐久性・耐食性
クロムが空気中の酸素と反応して、表面に「酸化クロム皮膜」をつくります。この皮膜が鉄を酸化から守るため錆びに強く、キズがついても自然に再生される「自己修復性」ができます。このメリットは屋外・キッチン・水廻りで強い恩恵を与えます。海辺や工業地帯ではグレードによってさびやすくなるため、耐塩害性の高いステンレスを使用します。
耐熱性・耐寒性
高温にさらされても強度を保ちやすく熱変形しにくく、また-200℃でも割れにくいため極低温用途にも使われたりします。
衛生的でメンテナンスが楽
ステンレスは表面が硬くて滑らかなので、汚れや雑菌が付きにくいため衛生的です。もし何かをこぼしてしまっても拭くだけで綺麗になるのでメンテナンスが簡単です。そのため食品工場や病院、キッチンなど清潔が求められる場所で多用されています。
長寿命
ステンレスは鉄より硬くて丈夫なため、キズや変形に強く長寿命です。一方でグレードによっては溶接・切断・研磨などの加工もしやすいという面もあります。加工後も変わらず美しい光沢が出せます。
環境に良い
加工しても有害ガスを出さず、火に強い不燃材なので環境にも優しい素材です。また、廃棄しても再利用可能で100%リサイクルが可能な環境配慮型金属として近年注目されています。
美しい見た目
鏡面仕上げ、ヘアライン仕上げ、サテン仕上げなど、シャープで高級感のあるお家に仕上げることができます。モダン・ミニマル・インダストリアル系と相性が良いです。
ステンレスを使用する際の注意点も併せてお教えします。
1つ目に指紋・水アカが目立ちやすいという点です。施工時にヘアライン仕上げを選択したり、定期的に拭き掃除をすることで軽減されます。
2つ目に鉄より高価でコストがかかるという点です。高性能であるがゆえにコストが高くなる傾向があるので、家づくりでは場所によって性能面とコスト面の取捨選択が必要です。
3つ目に磁石が付かない場合があるという点です。ニッケルを含む「オーステナイト系」は非磁性です。磁石を使った家具や小物を使用する場合は磁性体の種類を選択することが大事になります。
4つ目に酸や塩分に弱い種類もあるという点です。塩素系漂白剤や海風で腐食するケースもあるため、用途に適したグレードを選ぶことが重要です。
ステンレスは高耐久・高衛生・高意匠性・リサイクル性を兼ね備えた非常にバランスの良い金属として家づくりの素材としてとても優秀です。ただし万能ではなく使用場所や条件に応じた種類選びが大切です。
「水廻り」「屋外」「メンテナンス性」を重視する場所にぴったりなステンレスを使用してあなただけのお家を建ててみませんか?